格子の建具を家具にリメイク

山口県岩国市 K邸

ご自宅の建替えの際に、お客様が大切に保管されていた、古い家の格子の建具。

この建具を使用して、家具を作りたいとのご相談をいただき、製作させていただきました。

今回使用したのは、この三枚の建具。

山口県から送っていただきました。

古いお家の床の間近くの壁に造りつけられていたそう。

繊細な手仕事でつくられた格子は、とても美しく、今となっては貴重なものだと感じます。

これらの建具を使用して、今回、水屋箪笥と飾り棚を製作します。

下は、途中経過の図面。

完成品も、和室に置かれるとのことでしたので、

伝統的な形と線を守り、建具の存在を邪魔しない形にしました。

そして、完成。

北海道で製作され、一旦東京のショールームにて検品。

建具にほとんど狂いがなかったようで、ビシッときまりました。

そして、山口県へお届けです。

納品したのは、ちょうど3月3日。
しかも、1月に生まれたばかりのお孫さんもママと里帰り中。
ということで、急遽お雛様を飾り、お客様と雛祭りをお祝いしました。

何十年も前に建てられたお家を経て、

これから家具として、また何十年も使い続けるお手伝いをさせていただいた事は、

とても嬉しいことでした。

この家具を見て、ご家族が前のお家のことを思い出しながら、

お孫さんへと語り継がれていったら素敵ですね。

余談ですが…

お客様のお宅のすぐ近くには、錦帯橋という日本三名橋のひとつと言われる木造橋がありました。

300年以上も前に最初に完成して以来、何度か架け替えは行われたものの、

木組みの工法は受け継がれ続けているそうです。

木造で、こんなことができるとは…

すごい迫力でした。

木の可能性と、先人の知恵と匠の技を思い知らされる今回の仕事となりました。